KJ法について原典を読んで確認してみた

 良いアイデアを出す発想法について話題となると、しばしば挙げられるのが「KJ法」なる方法である。

 これは、考案した川喜田二郎氏のイニシャルを取ってKJ法と名付けられており、この方法を案出した経緯や、やり方の詳細については『発想法』(中公新書)に詳しい。

 

 

 KJ法という名前自体は、何年も前から耳にしていた。

 けれど、今回はじめて原典を読んで、どんな方法なのか、具体的に知った。

 そこで、この本を読んでKJ法について僕がざっと理解したところを僕なりにまとめておく。

 

手順の概要

 

 KJ法の手順としてはこうである。

 

  1. ブレインストーミングして一行見出しの紙切れを作る
  2. 似た内容の紙切れをまとめてグループ化する
  3. 似た内容のグループ同士をまとめてさらにグループ化する。(メタグループの作成)
  4. 似た内容のメタ・グループをまとめてメタ・メタグループ化する。
  5. グループの図化(KJ法A型)
  6. グループの文章化(KJ法B型)

 

  以下、それぞれの手順について述べる。

 

一行見出しの紙切れを作る

 まず、議題を決めて会議をする。このとき、ブレインストーミング方式で、意見の批判をやめ、どんどんと意見をたくさん出していく。

 そして、出された意見のそれぞれは紙切れ(大きめのポストイットが良いだろう)に「一行見出し」程度に要約して、どんどん書き出していく。

 

 なお、本書では「会議でアイデアブレーンストーミングして、その結果をまとめる」というシナリオでKJ法を説明している。そのため、最初の手順が「会議でブレーンストーミング」なのである。

 しかしながら、実際には手順1は必ずしもブレーンストーミングである必要はない。

 たとえば、ネットで情報収集して見つけた記事1つを1つの「紙切れ」とみなしても良いし、裏山を探検して見つけた草花や虫に関する情報1つ1つを「紙切れ」とみなしても良い。

 

 とにかく、テーマに関連する個々の情報をできるだけ広くたくさん挙げ、それらを1つの情報につき1枚の紙切れとし、「一行見出し」の紙切れにまとめることが大事なのである。

似た内容の紙切れをまとめてグループ化する

 次に、書き出された紙切れを大テーブルにザーッと並べる。

 そして、同じような内容、似た内容のものをまとめていく。

 こうして集まった紙切れ群を「グループ」とし、それに名前をつける。

 

グループ同士をまとめてメタグループ化する

 今度は、グループ同士を比較する。同じような内容、似た内容のグループ同士をまとめていく。

 そして、集まったグループをグループのグループ、つまりメタグループとして、それにも名前をつける。

 メタグループも結構な数がある、というときは、メタグループ同士を比較し、似たものをまとめ、メタ・メタグループとし、名前をつける……と手順を繰り返す。

 こうすると、最終的には会議の議題を頂点とした階層構造の中に、すべてのグループがおさまることになる。

 

 このように、個々の意見→グループ→メタグループ→……というように、ボトムアップで情報をまとめ上げていくのである。

 

グループ同士の配置関係を作る(KJ法A型)

 次に、グループ同士の配置関係を作る。ここでは、先の手順とは逆に、一番大きなグループから順にブレークダウンしてみる。

 ブレークダウンするときに、同じレベルのグループ同士の配置関係を図にしてみる。

 3つグループがあったときに、それらを横に並べるのが良いのか、縦に並べるのが良いのか、正三角形を作るように並べるのがよいのか。

 そして、それらのグループ間を線で繋いでみたり、矢印を引いてみたり、グループ全部を丸で囲ってみるなど、いろいろ試す。

 そして、これがぴったりきそうだな、と思うような図解を見つけ出すのである。

 

 ある大きさのグループでその図解ができたら、次にそのグループをブレークダウンして、さらにその中で図解をする、ということを繰り返していく。

 

 

 こうすることで、全体図と個々の情報の関係が一目でわかる「地図」のような図解が出来上がる。

 

 

グループの文章化(KJ法B型)

 グループ同士の関係を図にできたら、その図を見ながら、グループ同士の関係を文章に書き表してみる。

 この図解(A型)→文章化(B型)の順に進めることを、本書の中では「KJ法AB型」と呼んでいる。

 

 なぜ図解(A型)と文章化(B型)の両方を行うのかというと、両者で頭の使い方が違うからである。図解は空間的であり、直感的である。一方で、文章化は論理的であり、時間の流れを持っている(文章は頭からお尻に向かって読んだり書いたりする。逆方向に流れることはできない。それは時間の流れが逆向きにならないのと似ている)。

 よって、直感的、空間的理解と論理的、時間的理解で相補的に理解を促進させるために、AB両方の型でまとめるのである。

 

図解で理解、文章で発想

 

 こうしてまとめると、一見バラバラと思っていた情報が図解によって一目でわかる形にまとめあげられる。また、文章化の過程で様々なことを思いつくらしい(僕はまだ、ごく簡単な形でしかKJ法を実践していないので、この実感はあまりない)。この思いついたものが、様々な「一行見出しの紙切れ」や、それらをまとめたグループから支持されるものだとすると、いよいよそれは単なる思い付きではなく、「筋の良いアイデア」だということになってくる。

 こうした形で発想をして、アイデアを練り上げていくのがKJ法である。

 なお、この「グループ化→図解→文章化」を1ラウンドとして、2ラウンド、3ラウンドとどんどん回していくことを「累積的KJ法」というそうだ。こちらは『続・発想法』にも登場するようである。こちらも今度読んでみたい。

 

 

 

今後やりたいことと課題

 今後起こしたいアクションとしては

  • KJ法をどんどん実践してみる
  • 効率の良いやり方を作り出していく
  • 『続・発想法』も読んでみる。

 である。

 一度、ちょっとやってみたのだが、思いのほか時間がかかってしまったのだ。

 まとまった時間がないと全然できない方法である、となると、今の生活スタイルの僕にはうまくマッチしない方法となってしまう。

 そこで、手順を分解してちょっとずつ進められるようにしたり、作業を効率化できるようにしたり、という工夫をして見たいと思う。

 

 何か結果が得られたり知見が得られた際には、またこの場で書かせていただきたい。